ごきげんよう、フィットネスセラピストの中野 ゆかです。
一年で最も寒い「寒の内」も真っ只中です。身体の冬養生は万全でしょうか。
東洋医学の知恵を活かし、季節に合わせた身体の養生法をご紹介しています。今回も冬の身体トラブルにおすすめのツボです。
目次
ツボの不思議★足首にあるツボが腰痛や頭痛にも効く理由
冬の身体トラブルにおすすめのツボ「崑崙」
「崑崙(こんろん)」は足首にあるツボです。外くるぶしとアキレス腱の間のくぼみにあります。
黄河の源という中国の伝説の山「崑崙山」が名前の由来とされています。
膀胱経のツボです。
効能・・・足の冷えやむくみ、腰痛、背中の痛み、坐骨神経痛、頭痛、めまい、首のコリなど
冬の身体トラブル、足の冷えやむくみに効果があるツボです。
また、身体が冷えることで関節や筋肉の血流が悪くなります。腰痛や背中の痛み、首のコリなどにもつながりやすいですね。それにも効果があるとされます。
足首にある「崑崙」は足のトラブルだけではありません。腰痛や頭痛などにも効果があるのですが、足首から頭、身体の端から端とずいぶん離れていますよね。それでも効果あるって不思議ではないですか?
そもそも、ツボってなに?
あなたにもお気に入りのツボが、ひとつやふたつはありませんか?
こんなトラブルにはこのツボ!
このツボは万能ツボだからはずせない!
よくは分からないけど、何かしらの効果がありそう・・・
雑誌やテレビの健康特集でも取り上げられることが多いツボ。
そもそも、ツボって何なのでしょうか?
ツボは東洋医学の考えによるものですね。そこで、東洋医学を簡単に確認してみましょう。
東洋医学の基本の考え方
万物は対になる「陰」と「陽」の2つのカテゴリーに分かれ、さらに5つに分類される「陰陽五行説」に基づきます。
- 人間の臓器を臓腑(ぞうふ)と言い、対になった「六臓六腑」がある
- 六臓六腑は養生したい「五季」の季節に分かれる
- 臓腑は身体の表面や手足の指と「経絡(けいらく)」でつながり、そこには気血の流れ(エネルギーの流れ)がある
- 経絡の上には「ツボ」がある
- 病気の治療や予防に経絡やツボを活用する
私たちの身体にある臓器は「臓腑」と呼ばれ、12の臓腑があります。これが「六臓六腑」です。臓腑は特にいたわって養生したい季節に分かれます。
身体の中には「経絡」という気血(エネルギー)の流れが周流しています。それぞれの臓腑と身体の表面や手足の指をつなぐ12本の経絡がありますが、血管のように目で見ることはできません。
さて、ここで話題にしているのはツボ。ツボは経絡の上にあると考えられています。
身体に適当に点在しているのではありません。なので、あるツボを押せば、その経絡がつながっている臓腑に刺激が入るということになります。ツボも目には見えません。
ただし、全てのツボが経絡の上にある訳ではなく、経絡と関係のないツボもいくつかあります。
ちなみに、冬に養生したい臓腑は対になる「腎」「膀胱」、養生に活用したい経絡やツボが「腎経」「膀胱経」となります。
「腎」は腎臓、「膀胱」は膀胱にあたりますが、臓腑には東洋医学独自の考え方があります。
臓器の働きやその作用全般を含め、広い意味合いでとらえています。
その中には形がなく、解剖学的には存在しない臓腑もあると考えます。
ツボは患部から離れていても効果がある!?
腰痛なら腰にあるツボ押し、肩コリなら肩にあるツボ押しをするイメージがありませんか?
トラブルのある患部に近い場所のツボが効果がありそうですよね。
ですが、今回ご紹介している「崑崙」は足首にあるにも関わらず、腰や背中、頭部のトラブルにまで効果があるツボです。
なぜ、患部から離れていても効果があるのか?
ポイントは経絡とツボの関係です!
経絡は臓腑と身体の表面や手足の指をつないでいます。そこには気血というエネルギーが流れていると考えられていましたね。
これを「崑崙」のツボがある膀胱経で確認してみます。
出典:Our Age
膀胱経は足の小指からふくらはぎ、太ももの後ろを流れます。さらに背中を流れ、後頭部から目まで流れるとても長い経絡です。
イラストは簡単に描かれていますが、膀胱経の経絡は左右の足の小指から流れているため、両脚の後ろから背骨の両脇を流れ、両目の目頭まで届きます。
「崑崙」は左右両方の足の外くるぶしのそばにあるのです。
これは膀胱経以外の経絡も同様です。左右の足の指から流れる経絡、左右の手の指から流れる経絡があり、ツボは左右対称に位置します。
それでは、いよいよ本題に入ります。
なぜ、足首にある「崑崙」は頭部のトラブルにも効果があるのか?
「崑崙」を押すと、その刺激は経絡を通ります。膀胱経は腰から背中にかけて流れていますね。刺激が腰や背中に伝わってその筋肉に働きかけ、腰痛や背中の痛みの緩和に役立つのです。
さらに膀胱経は首や頭から目まで流れています。そこまで刺激が伝わるため、足から離れた頭部のトラブルにも働きかける仕組みになっているのです。
つまり、ツボを押した刺激は経絡を通ることで、経絡が流れている場所ならたとえ離れていても伝わり、働きかけることができる!
これがツボの不思議の理由だったのです。
東洋医学の知恵を活かすと手軽に身体のケアができる!
臓腑の調子が良くない時、私たちは身体の中にある臓腑に直接ふれることはできません。ですが、東洋医学では臓腑とつながる経絡やツボを刺激することで、直接ふれることがなくてもその機能を活性化することに役立てます。
また、身体の表面に起こるトラブルにも東洋医学が役立ちます。
例えば背中に痛みを感じても、背中はなかなか自分では手が届かない場所。そんな時には背中を流れる経絡の上にあるツボを押せば良いのです。患部から離れていても刺激を入れることが可能になります。
経絡やツボは目には見えませんが、その仕組みを理解することでトラブルの緩和・改善に役立てることができるのです!
覚えてしまえばツボ押しはとても手軽!
ツボによっては、いつでも、どこでも刺激できるツボもありますよ。
ぜひ、あなたの生活の中に東洋医学の知恵を取り入れてくださいね♪
コメント