ごきげんよう、フィットネスセラピストの中野 ゆかです。
季節の変わり目、土用。
特に夏から秋へと変わる夏の土用は、一年で最も暑い時季です。これを長夏(ちょうか)という季節とし、身体の養生をするのが東洋医学の知恵。
長夏の養生におすすめのツボは、女性のお悩みを解消するとっておきのツボです。
目次
真夏の季節・長夏の養生とは
夏の土用入りから立秋の前日の土用明けまでが夏の土用、本格的な真夏の季節・長夏(ちょうか)です。
この頃には一年で一番暑い日・大暑(たいしょ)もあります。
暑さで体力を奪われて疲れやすく、その疲れが取れにくいですね。
東洋医学では、体調を崩しやすい長夏に養生したい臓腑があると考えられています。それが「脾(ひ)」と「胃」です。
長夏の臓腑についてはこちらからご覧くださいませ。

以前にも取り上げましたが、今回は特に「脾」にスポットをあてます。
「脾」は脾臓?
「脾」は脾臓だと思われがちですが、脾臓だけを指すのではありません。ここが東洋医学と西洋医学、解剖学との考え方の違いです。
臓器の働きやその作用全般を含め、広い意味合いでとらえています。
その中には形がなく、解剖学的には存在しない臓腑もあると考えます。
東洋医学で考える「脾」とは、解剖学でみる脾臓やすい臓などの働きをすると考えられます。
改めて「脾」の働きを確認しましょう。
脾の働きとは
- 胃や小腸・大腸をコントロールする消化・吸収の働きをする
- 食べ物の消化を進め、栄養分を受け取り、栄養価の高い成分を作る
- 血が血管から漏れ出ないようにする
消化・吸収の代表的な臓器といえば、胃や腸ですね。逆に、脾臓やすい臓の方が馴染みがないくらい。
ですが、「脾」はその胃や腸をコントロールし、東洋医学ではこちらの方がメインの扱いとされます。
では、消化・吸収の要でもある「脾」の働きが低下するとどうなるのでしょうか。
脾の働きが低下すると
- 食べても栄養が吸収されず、食欲そのものが落ちることもある
- 脳の栄養も養われないために考える力が落ち、迷い悩んで不眠になりやすい
- 血液とも関わるため、婦人科系のトラブルが起こりやすい
暑さで体力が奪われる時はしっかりと食べて栄養を吸収し、それをまたパワーとしなければいけません。
「脾」の働きが低下すると支障が出てきてしまいます。
暑さを乗り切るためには「脾」の養生がポイント!
手軽に「脾」を養生するために「経絡」や「ツボ」を活用しよう!
東洋医学で身体の不調の予防や治療に活用されるものに「経絡(けいらく)」や「ツボ」があります。これも目には見えないもの、東洋医学独特の考え方です。
ツボ・・・経絡の上にある治療点・反応点
「脾」は足の親指とつながっています。
足から胸、鎖骨の下あたりまで経絡が流れ、「脾経(ひけい)」といいます。この脾経とその上にあるツボを刺激すると「脾」にも刺激が入ります。
おすすめ!女性の味方「三陰交」と「血海」のツボ
「脾」は血液とも関わる臓腑なので、婦人科系のトラブルとも関わってきます。逆にいえば、脾経の刺激は婦人科系のトラブルの予防や治療に役立ちます。
そんな女性の味方になる代表的なツボを2つ紹介します。
生理痛や生理不順などの生理に伴う不快な症状、更年期障害の改善にも役立つツボです。
冷え、むくみ、肩こりにも効果的です。
膝の内側にあり、膝のお皿から2寸(手の指3本分)ほど上がった太ももの骨のきわにあります。
こちらも血海と同じく生理に伴う不快な症状、更年期障害、冷え、むくみ、肩こりに効果的なツボです。
また、このツボは脾経だけでなく、肝経と腎経のツボでもあり、肝臓や腎臓などのトラブルにも対応できる「万能ツボ」で、頻尿のお悩みにもおすすめです。
内くるぶしから3寸(手の指4本分)ほど膝に上がったすねの骨のきわにあります。
臓腑の働きが低下するお腹の冷えに要注意!
暑いと冷たい食べ物や飲み物をとることが多くなります。冷蔵庫で冷えている麦茶に氷を追加していませんか?
お腹が冷えると臓腑の働きが低下し、自律神経の乱れや免疫機能が下がってトラブルを招きます。
熱中症予防の水分補給は大切ですが、冷たい水分のとり過ぎで体調を崩すと、かえって熱中症になってしまいかねません。
今回ご紹介したツボ「血海」と「三陰交」は、女性のお悩みを解消するとっておきの万能ツボ。女性なら知って損はない、むしろ知らなきゃ損するツボです。
上手にツボ押しを活用し、東洋医学の知恵で長夏を乗り切りましょう!
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